「保健師が解説」新生児・赤ちゃん訪問ってなに?お茶は?里帰りは?拒否できる?

子育て

赤ちゃんが生まれたら「新生児訪問」がありますが、家庭訪問でいったいなにをするのか気になりますよね。

今日は保健師の私が、新生児訪問・赤ちゃん訪問を解説します。

  • 新生児訪問ってどんな流れなの?来てなにをするんだろう?
  • 他県へ里帰りをするんだけど、その時はどうなるの?
  • お茶やお菓子って出した方がいいの?
  • 来て欲しくないときに断れるの?

いざ来られるとなると、具体的なことが知りたい。

なので今回は

についてまとめてみました。

この記事を読めば、新生児訪問・赤ちゃん訪問への不安が解消されるので、赤ちゃんが生まれてまもない人や訪問を控えている方は是非最後までご覧ください。

里帰りに関することもお伝えするので、妊娠中の方にもおすすめです。

「赤ちゃんが生まれたときに家にきた人」ってよく言われる私

この記事でわかること
  • 新生児訪問には誰が来るのか
  • 家庭訪問でなにをするのか、当日の流れ
  • 準備物は?お茶が必要なのか
  • 里帰りする時はどうしたら良いか
  • 来てほしくない時拒否できるのか

新生児訪問・赤ちゃん訪問とは

新生児訪問とは、赤ちゃんと産後ママの健康状態を確認し、育児や体調の相談をするために、生後4ヶ月ぐらいまでの全ての家庭を対象に、保健師や助産師等が家庭訪問をする事業のこと

法律に基づいている

母子保健法と児童福祉法の2つの法律に基づいています。

母子保健法では『新生児訪問(法第十一条)』

児童福祉法では『こんにちは赤ちゃん事業』

と名称が異なり、訪問対象とする期間や目的が多少違うのですが、

生後間もない赤ちゃんと産後のママが健康で過ごせることを考えてのは同じ!

法に基づくので日本全国で実施されています

自治体によって「新生児訪問」「赤ちゃん訪問」「こんにちは赤ちゃん訪問」と名称はさまざま。

法の詳細は厚生労働省のHPに記載があります。

乳児家庭全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん事業)の概要|厚生労働省
乳児家庭全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん事業)の概要について紹介しています。

主な事業内容

母子保健法と児童福祉法を区別せず、両方を合わせて実施している自治体がほとんどです。

実施者は、市町村と特別区(住民票があるところが担当)

事業内容は、育児など相談と子育ての情報提供、赤ちゃんと産婦の健康指導が主

新生児・赤ちゃん訪問の当日までの流れ

申し込み方法

自治体によって、申し込み時期や提出書類は多様

  • 出生届け提出時に依頼書類を一緒に提出
  • 出生通知書を郵送する
  • 新生児訪問依頼を電話や電子申請する

などが代表的です。

母子手帳や健診補助券冊子等に申請方法が載っているので確認を!

申し込み後の流れ

  • 訪問を指定の方法で申請
  • 日程調整の連絡が来るので家庭訪問びを決める
  • 新生児・赤ちゃん訪問

申請をしたら、市役所や区役所から、連絡が来るのを待ちます

電話連絡やショートメール、LINEと連絡手段は自治体によります。

連絡がなかなこない!って時は問い合わせるのもOK!

申請し忘れた!そんなときは

産後は慣れない育児に自身の体調回復でそれどころではなく、申請を忘れてしまうことはよくあること

もし、申請をし忘れてしまったり自治体指定の期間に申請ができなくても大丈夫!

気づいたときに自治体の担当窓口へすぐ連絡しましょう

『〇〇市(住んでいる市) 赤ちゃん訪問』と検索すると担当窓口がわかります。

法律に基づく事業のため、申請をしなくても、出生届けの情報から電話等で連絡がくることがあります

新生児訪問・赤ちゃん訪問までの準備について

新生児・赤ちゃん訪問の準備は、日程決めをしたときに言われたものさえ用意があれば大丈夫!

掃除は?お茶やお菓子は?など、以下で詳しく解説します!

準備するもの

新生児・赤ちゃん訪問で必要な物(自宅で用意するもの)があれば、

日程調整の連絡のときに『〇〇を用意して置いてください』と指示があります。

基本的には、「母子手帳」が必須

妊娠経過や赤ちゃんの生まれた時の状況を把握し、ママや赤ちゃんの健康状態を知るために母子手帳を見ることがあります。

加えて、訪問時の様子を母子手帳に記載するので必要です。

(※母子手帳を親子手帳というところもあります)

母子手帳以外には、

赤ちゃんの身体測定をするためにバスタオルの用意がいる自治体がほとんどです。

勤務先と住んでいる市が違うけど、母子手帳だけでした

掃除について(どこへ入られるの?)

掃除は、ママができる範囲で大丈夫です!

「人が家に来るとなれば、綺麗にしておかなければ!でも、産後の寝不足でしんどい。。」

そんな時に正直掃除って面倒ですよね。

家が散らかっていても、洗ってない食器があっても、保健師は気にしていません

掃除は可能な範囲でいいが、赤ちゃんに危険がない環境かは見ている

とはいえ、赤ちゃんがおうちで安全に過ごせることが重要

赤ちゃんの手が届くところに危険な物がないか、冷暖房が直撃するところにベビーベットはないか等

と家の片付き状況より全体の環境は見られている可能性があります。

新生児・赤ちゃん訪問は家のどこへ入る?

基本的にはリビングで行う家庭が多いです。

そして、ママさんが指定する居住スペース以外には通常立ち入りません

赤ちゃんの生活している状況を確認するために、赤ちゃんが普段過ごしているお部屋でお話しをするところもあるようです。

どうしても、立ち入られたくない場合は、玄関先で行うこともあります。

トイレって使われるの?

訪問者や状況によって違うのですが、

訪問先のトイレは借りないことが多いです。

トイレ等の水回りってあまり使われたくないし掃除も気になりますよね

お茶やお茶菓子について

お茶やお茶菓子はいりません

新生児・赤ちゃん訪問は、法に基づく自治体事業(つまり市の仕事)として行われているので、

お茶やお菓子の接待は無くて大丈夫です。

お茶の用意がされていても手をつけない自治体ルールがあったりするので、出さない方が無難です。

訪問前にしておくと良いこと

家庭訪問はマンツーマンで、育児や体調の相談ができる機会

住みなれた家で周りの目を気にすることなく、じっくり相談ができるし、聞いてもらえます。

質問したいことや育児で気になっていることをリストアップしておく

訪問後に「あれを聞けばよかった!」「あの時聞いてみればよかった!」ってなりがちで、

私自身も子どもの訪問ではそうでした。。

病院に行くほどではないけど、気になる赤ちゃんの様子が日頃あれば、携帯にメモしておく

訪問時に聞くことをリストアップしやすいです。

新生児訪問・赤ちゃん訪問当日について

誰が来て、どのくらい滞在されるのか気になるところ

訪問者

保健師や助産師、地域の育児ボランティア(愛育委員さんなど)

が主な訪問者で、誰が来るかは自治体や家庭によって異なります

訪問は1人で行うことが多いです。

気になれば、日程調整のときに訪問者を聞いても大丈夫です。

滞在時間

30分〜1時間前後が基本。

訪問時と相談内容によって異なるので時間は一概にはいえませんが、

『1時間まで』とった時間制限はありません

次の予定があり、終了してほしい時間がある場合は、

『〇〇時までに終わってほしい』と伝えておくとスムーズです。

費用

無料です。

自治体サービスの1つなので、お金は一切かかりません。

服装は

新生児・赤ちゃん訪問の服装は、なんでもOK!パジャマもOK!スッピンOK!

服装はママが楽な服装が一番です。

自治体や訪問者によっては、授乳の様子を見てくれるところもあるので、

授乳しやすい服がオススメです。

一人目の訪問は、しんどくてパジャマ&すっぴんで受けました(笑)

パパや家族がいてもいいの?

ママが良ければ、パパや兄弟児、おじいちゃんおばあちゃん誰が一緒にいてもOK!

育児休暇をとっているパパさんが一緒にいる場合も最近は多いです。

パパさんも赤ちゃんの気になることがあれば相談したり、身体測定の様子を写真に撮ったりされています。

新生児訪問・赤ちゃん訪問ですること

  • 赤ちゃんの生まれた時の状況や今の様子のお話し
  • ママの妊娠経過や今の体調を確認
  • 産後うつのチェックリスト(自治体による)
  • 子育てや体調に関する相談
  • 自治体の子育て情報の紹介
  • 今後の健診や予防接種の説明
  • 赤ちゃんの体重測定や身体測定(自治体による)
  • おっぱい相談や母乳量の測定(自治体による)

訪問ですることを並べて見ました。

自治体や訪問者によって違うのですが、

育児・体調の相談」・「健診と子育ての情報提供」・「ベビーの体重測定

をすると思っておくとよいです。

なにを聞かれるの?

これも訪問者によるのですが、よく聞くことをまとめたので、よければ参考にしてください。

  • 妊娠経過はどうだったか(つわりや体重コントロールについて等)
  • 出産は順調だったか
  • お産の感想は
  • 産後の経過や回復はどうか
  • 退院時に病院から言われたことはあるか
  • 2週間健診や1か月健診での様子や医師から言われたこと
  • 授乳回数や授乳の時間
  • 赤ちゃんの便の回数や色
  • 母乳か混合かミルクか
  • 今のママの体調はどうか
  • 寝不足の心配や食事がとれているか
  • 家族の協力について(協力してくれる人がいるか)
  • 相談できる人がいるか
  • 上の子の赤ちゃん帰りはあるか、ママが困っていないか
  • 夫の仕事について、帰りは遅いか等
  • 小児科は決めているか、場所は知っているか
  • 地域の子育て広場の情報を知っているか

などなど、母子手帳を見ながらお話しします。

うげ〜。こんなにいっぱい話しをするなんて、しんどいよ。

文字で見るとたくさんあるので、びっくりしますよね。

でも大丈夫!保健師さんたちは世間話しをするかのごとく上手にこれらを聞いてくれます

もちろん答えたくないことは、言わなくてもOK

産後は身体がしんどいので、話しで疲れたらストレートにそれを伝えて中断もOKです

なにを相談していいの?

  • 赤ちゃんの様子で気になっていることについて
  • 授乳の量が足りているか
  • うまくゲップができない
  • 赤ちゃんが便秘気味で心配
  • 保湿をどうしたらよいか
  • 悪露の量が気になる
  • おっぱいが痛い
  • 寝不足でしんどい
  • 赤ちゃんが泣くとしんどい、イライラする
  • 夫にイライラする

新生児・赤ちゃん訪問でよく受ける相談の一例です。

保健師や助産師が訪問する場合は、赤ちゃんの健康からママの体調まで幅広くなんでも聞いてもOKです

家庭訪問で知り得たことには、守秘義務がある

産後のガルガル期で夫への不満や愚痴を聞いてもらってスッキリなんてことも。

相談したことは、ママが望まない家族や第三者に言われることは絶対にありません

なので、気になっていることや「しんどいこと」を話しても大丈夫です。

ただ、最新の育児グッズの情報や使い方には答えられない場合も・・・

保健師・助産師は、いわば産科小児科にいる看護師さんの出張訪問

そのため、育児グッズのおすすめや使い方を聞いても、欲しい答えがもらえないことがあります。

番外編 地域の人が新生児・赤ちゃん訪問に来る場合

自治体によっては、子育て経験のある地域のボランティアさんや主任児童委員さん、愛育委員さんが

新生児訪問・赤ちゃん訪問にくることもあるので、その場合を紹介しておきます。

保健師や助産師と同じところ

子育に関する相談や、健診予防接種と子育ての情報提供は同じです。

母子手帳へ訪問日を記載することもあります。

訪問場所は、玄関先までというケースも多いようです。

保健師や助産師と違うところ

母子手帳を見ないこともあります。

赤ちゃんの体重測定や授乳量の測定はありません。

必要があれば保健師へ伝えてもらえる

「もっと授乳のことを相談したい」「赤ちゃんのお世話について相談したい」「体重が心配」

など、地域の方の家庭訪問で解決しない場合は、

地域の方から保健師へ報告があり、後日保健師さんから連絡をもらうこともできます。

訪問が地域の人だった時に聞くと良いこと

地域の方は、住まいの身近な情報が豊富!

子どもを連れて遊びに行ける場所や、おすすめの小児科、皮膚科はどこがいい?

など、具体的な情報を教えてもらえる可能性が高いです

来て欲しくない時

別に困ってないし、病院行っているし来て欲しくない。って方もいますよね。

拒否できるか否かは、自治体によってケースバイケースです。

が、法に基づく自治体事業ということもあり、

新生児・赤ちゃん訪問を受けることは義務じゃないけど、連絡がくる

ものです。

来て欲しくない、断りたいという場合は、自治体からの連絡を無視せずに、

その理由を素直に伝えてみてください。

赤ちゃんの訪問で渡す書類や自治体からの資料が必ずあるので、その渡し方について臨機応変に対応してもらえます。

里帰りをするときについて

他県や市外の里帰り先への新生児・赤ちゃん訪問ができます!

新生児訪問・赤ちゃん訪問は、日本全国で実施しているため、

里帰り先へ訪問してもらうことも可能です。

里帰り先へ訪問して欲しい時には

住んでいる自治体の新生児・赤ちゃん訪問担当の窓口へ連絡し、

訪問は里帰り先にしてほしい』と伝えるだけでOK!

住んでいるところの担当保健師が、里帰り先の自治体保健師へ連絡をして、訪問の依頼をしれくれます。

里帰り先には、里狩り先の地域の保健師等が訪問する

里帰り先への訪問は、そこの自治体の保健師が担当となります。

事前までの準備や当日の流れは上記と同じです。

  • 日程調整など家庭訪問に関する連絡が、里帰り先の自治体がある
  • 里帰り先で家庭訪問を受ける
  • 家庭訪問の様子を住んでいるまちの保健師へ報告される

という流れです。

里帰りから戻ってからにすることも可能

新生児訪問・赤ちゃん訪問は生後4か月までに実施している自治体が多いので、

里帰りから戻ってから、住んでいる自治体に自宅への訪問を依頼することもできます。

『里帰り先では育児を助けてもらえるので、自宅に戻って夫婦2人の子育てになった時に相談したい』

と里帰り後を希望する方もいます。

里帰り先でも、自宅でもママが希望する方でどちらでもOK

場合によっては両方も可能だったりするので、里帰りを考えている方は、まずは担当窓口に相談してみることをオススメします!

担当窓口は『〇〇市(住んでいる市)赤ちゃん訪問』と検索すると出てきます。

まとめ

以上が、新生児訪問・赤ちゃん訪問の解説でした。

自治体によって事業の内容は異なるため、すべてがこの通りとは言えませんが、

お伝えした基本的なことは日本全国で同じです。

初めての家庭訪問ってドキドキしますし、面倒に感じることもありますが、

病院のように順番待ちや次の人を気にせずに

赤ちゃんが生活している実際の状況を見てもらいながら

ゆっくり相談ができるのはとっても便利な自治体サービスだと思っています。

産後やお世話で身体がしんどく、生活さえままならない事を保健師は十分承知の上で

各家庭に訪問させてもらっています。

産後のしんどい時こそ、保健師の赤ちゃん訪問話を聞いてもらうと

解決策が見つかったり、気持ちが楽になるかもしれません。

赤ちゃんが健やかに育ち、ママも楽しくお世話ができることが保健師の一番の願い

この記事が参考になり、

新生児訪問・赤ちゃん訪問が安心して受けられると嬉しいです。

最後まで、読んでくださりありがとうございました♡